泊まってみよう 〜初心者向けブッシュクラフト 〜

本記事は、
無人島野営歴16年以上のアウトドア好きな僕の経験をもとに、
アウトドアスタイルの一つである「ブッシュクラフト 」を今から始めたい人向けにノウハウを伝えます。

ブッシュクラフト とは? 
と思った方は、下記の記事をみてください。
“遊び”を超えたアウトドア 〜ブッシュクラフト という選択〜


前回はファーストステップである
「焚き火」について、説明しました。

“焚き火”しよう 〜初心者向けブッシュクラフト 〜


大自然の中にある材料を用いて、
ライターやマッチを使わず、
メタルマッチという焚付け方法を学びました。


原始的な方法を知ることは、新しい発見もあり、
楽しくもあり、また一種の達成感を味わえます。

手間暇かけて、手の込んだ料理を作った時、
格段に美味しく感じるのと同じ効果かもしれませんね。


今回の記事でも、テントを用いずに少しカッコいい手法を紹介します。


それは、「タープ泊」です。


ペグとロープワークで一枚のタープを張り、プライバシーを守りつつ、快適な空間を作り上げます。


準備物も軽くて楽なので、この手法を覚えておいて損はありません。

泊まってみよう〜初心者向けブッシュクラフト 〜

1.出発までの準備

宿泊するのに、持っていくものを紹介します。



①タープ ※DDタープ 3×3

DDタープは、頑丈で造りもしっかりしていて、
日除けや雨除け用にも活用可能ですので、
かなり使えます。
僕は迷彩柄を購入しました。

3m×3mの正方形のシンプルなサイズ感。
ソロキャンプ用ですね。



②かなづち ※YOGOTO ペグハンマー

重厚感あり、使い勝手も良く愛用しています。
楽に握れるようデザインされているので、
腕の疲労も軽減。

YOGOTOの収納ケースも好みなんですよね。
ペグハンマーは、いろいろ種類があり、
お好みのもので良いと思いますが、
長く使えるものなので、
質の良いものを一つ持っておく事をお勧めします。



③ペグ ※村の鍛冶屋の鋳造ペグ 8本セット

金物の町として知られる
新潟県燕三条市の鍛冶屋が作る鋳造ペグです。

ん〜頑丈!(笑)
少々の硬い地面でも貫通する威力。

ずっと使い続けられる逸品ですのでオススメですよ。
僕は、YOGOTOの収納ケースにまとめて入れています。
日本のOMOTENASHI SELECTIONにも選ばれました。



④ポール ※FIELDDOOR スチールテントポール

テントポールです。スチール製とアルミ製があります。

スチール製のタープポールは
耐久性に優れていますが、サビやすく重いです。

アルミ製は、スチールより強度は落ちますが
軽量で持ち運びやすいのが特徴です。

僕の場合は、一度強風でポールが折れた事があるので、
頑丈さを重視し、スチール製にしています。



⑤パラコード ※ ロスコ パラシュートコード 30m

パラシュートコード(略してパラコード)は、
元々パラシュートの吊り下げラインに使用されていました。

アウトドア用語では、ガイロープ(ガイドライン)とか、
張り縄とも言われる時があります。
軽量ナイロンカーンマントルロープのことです。

タープやテント用だけでなく、衣類などを吊す、
溺れた人の救助用具など、用途は多彩です。

僕は10m、3m、2mの長さに切り分けて利用しています。
パラコードを切った時、
端っこに出てくる切り口をライターで軽くあぶって、
エンド処理しましょう。



⑥シュラフ(夏用) ※Coleman パフォーマー 寝袋

シュラフとは、寝袋のことです。
夏用はコスパも良いし、これで十分だと思います。
夏場は洗濯機での丸洗いが可能なので、嬉しいですね。



⑦シュラフ(冬用) ※Tooge 冬用ダウンシュラフ

冬場のシュラフは、暖かいことが必須条件になります。
夏場の寝袋で大丈夫っしょと思い、宿泊した冬場のキャンプは地獄でした。。。
Toogeのダウンシュラフは、なんといっても安価で高品質。
-25度まで耐えうるスペックです。

ただ、唯一の難点は暖かさは確保できますが、
収納時には空気をしっかり抜かないといけません。
暖かさの確保とお財布的には、買いの一品だと思いますよ。



⑦シュラフカバー ※SOL アウトドアエスケープヴィヴィ

本来非常時に使う簡易シュラフのようなものですが、
軽量かつコンパクトでなので、
そのまま寝袋としても活用できます。

保湿効果を高めたり、
シュラフが汚れるのを防いだり、
寝袋の結露防止ために良いです。



⑧マット ※
CAPTAIN STAG EVAフォームマット

ブッシュクラフター愛用品のマットです。
折り畳んでバックパックに収納可能です。

ブッシュクラフト を追求すると、
チェアではなく、ジベタリアンになる人も(笑)

座布団用として、就寝時の地面の冷たさを
防ぐマットとして活用します。
肌寒い時の地面の冷たさは難敵なので、
マットは必需品ですね。



2.当日の作業

2-1 : 設置場所を見定める

2-1 : 設置位置を見定める

どこを拠点にするかですが、テキトーに設営すると危険です。

不便を感じたり、不快なキャンプになるだけでなく、
場合によっては命を奪われるケースもあります。

クマやイノシシが突如襲ってくる!

なんてことも有り得ます。

初心者は、そこらへんの山でワイルドにキャンプするより、
まずはキャンプ場をオススメします。

キャンプ場の指定エリアは安全です。

施設側としても万が一何かあった場合には責任問題になるので、
きちんと考慮されているからです。

ただしブッシュクラフトでは、
なるべく自然に近いところでしたくなります。

フィールドの状況によって、リスクは多種多様ですが、
一般的な「ヤバい設置場所」について紹介します。

①中洲
自然の天気は変わりやすく、ちょっとした増水でもテントは流されてしまいます。水位が上がる速度が早いと、逃げようにも逃げれません。

②危険動物がいるエリア
イノシシやクマだけでなく、ヘビやハチなど自然界には危険生物がいます
ネットである程度は調べられるのでリサーチは必ずしましょう。
近隣の住民に聞くのもいいですね。
自然のルールに従い、お互いがストレスなく、
動物と気持ちいい距離感を持つ意識が大切です。


③崖の下
落石で命を落とす場合があります。
ここは意識すると避けられる事なので、注意しましょう。


④山奥過ぎる所
帰れなくなると、当然遭難します
人気を避けたい気持ちは分かりますが、
奥に行けば行くほど野生動物と出会う可能性も高まり、
急遽怪我や体調を崩した場合に、対処出来なくなります。

 

大切なのは、自然の声を聞き、
自らの安全性を確保できる位置を見定めることです。
自然のテリトリーの中に足を踏み入れているのは人間です。
謙虚な気持ちを持ちつつ、無理のない場所選びを心がけましょう。

ついでに、生ゴミと料理の片付けは寝る前に!
動物は匂いに敏感ですので注意!


2-2 : タープを広げる

場所が決まれば、次に早速泊まるための準備です。

3m×3mのDDタープを用います。
イメージは、こんな感じですね。

2-3 : ペグ打ちする

ペグ打ちをしていきます。

タープを広げます
タープがたるまないように、少し突っ張るように3点をペグ打ちします。
端っこ部分は、図のように中に織り込んでおきましょう。

2-4 : ポールを立てる

次に大黒柱とも言える柱ですが、一辺の半分の長さ、
つまり3mの半分の1.5m程度の流さのポールを準備します。

これは自然の中の木を使うとグッと雰囲気が出てきます。
今回は、スチール製ポールを使います。

最初にペグ打ちした点の反対側にある点を立ち上げ、
ポールと連結します。




2-5 : ロープワーク

ロープワークですが、シベリアンヒッチと自在結びを覚えてたら完璧です。

◆シベリアンヒッチ

◆自在結び

ポールとペグの設営については、図の通りです。

ポール側にはシベリアンヒッチ、ペグ側には自在結びで張ります。

タープを張る時のコツですが、タープがピンと張る位置を探して、ペグ打ちすることですね。
たるんだタープはかっこ悪いですし、耐久性も落ちます。

また、パラシュートコードと、ペグの角度は90度を意識しましょう。
地面とペグの角度は、45度〜60度がベスト。

これが完成版ですね。
両サイドの幕を閉じると、寝ているときにもプライバシーを守れますね。

中に、マットと寝袋をしいて眠りにつきます。

ただ、お昼は閉じる必要がないので、
こんな感じて開いておきます。
もうちょっと整理して写真撮ればよかった・・・(笑)

3.最後に

普通にテントで宿泊するのではなく、ブッシュクラフト らしく、
タープで宿泊する方法を紹介しました。

今回はペグもハンマーもポールも準備しましたが、
自然のものを使った方が、より学びになります。

準備物も少なくてすみます。
タープと寝袋とパラコードだけ持っていけば良いです。

かなづちは、で代用できますし、
プールやペグは、竹や枝から作れますし、
マットは枯葉を集めれば快適な空間が作れます。

強者は、パラコードの代用として、
ツル植物から作り上げるナスDのような方もいますね。

寝袋がなくても、レイアウトにより、
焚き火の熱をうまく取り入れるようにすると、
寒さを凌いで野宿することが可能です。

ただし、自然を甘くみてはいけません。


突如大雨が降る場合もありますし、
獣が襲ってくる可能性もゼロではありません。

僕の経験談ですが、台風が来る時に、
無人島で一晩を過ごしたことがあります。


無謀ですよね。

リスクを考える事より、ノリと勢いが勝る若かりし頃の出来事です。
正直自然をなめていました。。。

突然降り始めた雨にさらされ、
身体は寒くなり、
焚き火も消えました。

夏場でも雨に濡れると寒いですし、
風がより一層冷たく感じます。

テントで酔い潰れて先に寝ていた仲間が、
強風で数メートル飛ばされもしましたね。

設営場所によっては、死んでいたかもしれないと思うとゾッとします。

自然を甘く見てはいけません。


仮に「最小限のもので一晩過ごすんだ!」とチャレンジするとしても、
保険として車やバッグに積んでおく等、準備した方が賢明です。

あくまでブッシュクラフト は、サバイバルではなく、
楽しみながら自然と溶け込む「遊び」なのですから。

もっとも優先すべきは、「命」ですよ。

是非、タープ泊を実践していただき、
自然の中で自然のものを使って一泊する幸せを感じてみてください。

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